電子負荷装置を自作してみたので、その設計と評価に関して、下記5ページに分けて記載します。
電子負荷装置の製作(構想-設計変更) ・・・ 目標機能、回路ブロック説明 (本ページ)
電子負荷装置の製作(回路設計編) ・・・ 回路ブロック毎に計算と検討した内容
電子負荷装置の製作(機器全容) ・・・ 組み立て品と機器接続の説明
電子負荷装置の製作(ソフトウェア) ・・・ 自作制御ソフトウェアのプログラム説明
電子負荷装置の製作_最終回(性能評価) ・・・ 装置の実働試験評価
電子負荷装置の製作(修正、改善) ・・・ 評価で発生した不具合修正と利便性UP
【目的】
オペアンプ、FET、デジタルポテンショメータの自学。
パソコンから自動制御/自動測定させる方法としてpythonを利用し、その学習を行う。
本装置の評価もかねて、安定化電源に負荷試験を行い、双方の性能評価を行う。
<<背景>>
オペアンプ、FETは自作で使用したことが無いので、それらを使用した時の
回路設計を行ってみた。
【目標性能】
本装置への入力は、20V,3Aまでとする。(私的には初の領域となる高い値)
定電流負荷測定のみに対応。(設計と事前検討が中々進まないので、機能をシンプルにした)
負荷の調整は、手動調整かパソコン制御か切り換えて行う。
本装置と外部制御用マイコンとの通信は、IICを使用する。
基板の大きさは、10cm×10cm (基板製造費用が最安)
【回路】
設計した回路が下記。
使用した回路図エディターは、KiCad
設計変更内容:
①定電流調整回路 を FET3ヶの並列駆動にした。
-> 2021/06/27 トランジスタ3ヶへ変更
②シャント抵抗 を 0.5Ωから1Ωへ変更した。
上記の理由は、FET1ヶの場合、放熱対策ができないと判断した為。
FET1ヶ当たりの放熱量を減らすため、電流を3つのFETで受け持ち、
シャント抵抗の抵抗値を上げることで、シャント抵抗自体での放熱受け持ち分を増やした。
②の変更により、基準電圧を2.5V(シャントレギュレータ)から、
5V(ボルテージレギュレータ)へ変更。
【回路ブロック 概要】
<内部回路用電源供給部>
・逆接続時の安全回路/部品を設ける。
<内部回路用電圧生成部>
・内部回路用に5Vの電圧を安定して供給する。
<電子負荷電源インジケータ>
・電子負荷装置に電源が供給されていることを表示する。
<基準電圧生成回路>
・簡易かつ、個体ばらつきが少ないこと。
<マイコン制御用可変抵抗>
・5V駆動で、マイコンと容易に接続/制御できること。
<マニュアル制御用可変抵抗>
・調整を容易にするため2種類のボリュームを使用。 coarse:10kΩ fine:1kΩ
<定電流調整回路>
・オペアンプは下記を要求仕様とする。
電源電圧+5V、単電源
オペアンプ出力可能電圧は、5V~0Vまで出力可能なフルスイング対応品。
・FETのVGS(ON電圧)は2V(以下)時に、IDSが3A以上取れること。
→ これは不可なのでトランジスタへ変更。2021/06/27
<定電流負荷回路>
・20V,5A入力に耐えられる部品を使用する。(使用条件×1.5倍 ≦ 部品定格)
<逆接続保護回路>
・逆接続時に 双方の機器が破損、劣化しないこと。
<シャント抵抗>
・定格電力: 3V×(3V/1Ω)×1.5倍 → 13.5W(20W)品以上
<供給電圧測定用回路(マイコン測定用)>
・フルスケールで5V出力となる回路とする。
<未使用回路>
・部品の破壊、不要な電流消費が無いよう、適切に処理すること。
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