手持ちの自作可変直流電源では容量不足となることが多いので、新規に安定化電源を購入した。
製品スペック : スイッチング方式、出力電圧 30V、 出力電流 5A
(自作品スペック : ドロッパ式、出力電圧 15V、 出力電流 0.5A)
<使用目的>
個人的回路自習、評価用。 (主に使う電圧/電流は、3V~5V/1A)
<機器選定条件>
・最大出力電圧/電流は、20V/2A以上
・AC100V、50Hzでの使用が、仕様上で記載されているもの
・使いやすいこと
・評価レビュー自体が多く、その中に不動作品の出荷が散見されないこと
・精度、耐久性、品質は、今回求めないので、とにかく低価格なこと
<MS-305Dの購入を決定した要素>
・出力の微調整が可能なこと
・電源ボタンが前面にあること
<実機評価内容>
実使用において、接続先の評価回路の破損につながりそうな不具合が無いか確認した。
<1>パネル表示電圧と出力電圧との整合性。 -> <1>Voltage Meter Accuracy
→ パネル表示を信頼してよいか。
<2>出力に生じるノイズ量 -> <2>Noise Level (Voltage)
→ 接続先の部品の定格を超えることはないか? マイコン等のリセット要因にならないか?
<3>急激な負荷変動時の特性 (0Ω -> ∞Ω) -> <3>Transient response
→ 試作品の実機評価中に電源短絡が発生した場合、
短絡解消直後に、試作品へ規格外の電圧が供給されないか?
<評価に使用した機器>
Oscilloscope: Agilent Technologies DSO-X 2014A
MultiMeter: Sanwa PC500a
<評価時の電源環境>
AC100.5V、50Hz
<結果>
<1>Voltage Meter Accuracy
測定方法: 開放状態のMS-305Dの出力端子にテスターとオシロスコープを接続して測定。
結果:規格内(≦1%)であることを確認。
設定電圧による誤差の大きさは変わらない。
実測値
Power Supply Specification | ±1% |
Result Max | 0.8% |
Result Min | 0% |
Meter (V) |
Multi Meter (V) |
Error Rate % |
1.00 | 0.992 | 0.8 |
2.00 | 1.999 | 0.0 |
3.00 | 3.004 | 0.1 |
4.00 | 4.001 | 0.0 |
5.00 | 5.016 | 0.3 |
6.00 | 6.000 | 0.0 |
7.00 | 7.000 | 0.0 |
8.00 | 8.010 | 0.1 |
9.00 | 9.000 | 0.0 |
10.0 | 10.06 | 0.6 |
Meter (V) |
Multi Meter (V) |
Error Rate % |
11.0 | 11.01 | 0.1 |
12.0 | 12.03 | 0.2 |
13.0 | 13.06 | 0.5 |
14.0 | 14.03 | 0.2 |
15.0 | 15.03 | 0.2 |
16.0 | 16.03 | 0.2 |
17.0 | 17.02 | 0.1 |
18.0 | 18.00 | 0.0 |
19.0 | 19.06 | 0.3 |
20.0 | 20.07 | 0.4 |
Meter (V) |
Multi Meter (V) |
Error Rate % |
21.0 | 21.06 | 0.3 |
22.0 | 22.05 | 0.2 |
23.0 | 23.07 | 0.3 |
24.0 | 24.04 | 0.2 |
25.0 | 25.02 | 0.1 |
26.0 | 26.05 | 0.2 |
27.0 | 27.00 | 0.0 |
28.0 | 28.09 | 0.3 |
29.0 | 29.06 | 0.2 |
30.0 | 30.02 | 0.1 |
<2>Noise Level (Voltage) 結果:仕様値(≦10mV)の10倍以上(>1V)のノイズを確認 -> 電圧供給先の回路に不具合、ストレスを生じさせる可能性がある。
実測値
|
|||||
---|---|---|---|---|---|
Power Supply Output | 3V | 5V | 10V | 20V | 30V |
MultiMeter | 3V | 5V | 10V | 20V | 30V |
Noise(peak-peak) | 1.3V(*) | 1.3V | 2.5V(*) | 2.4V | 2.4V |
使用している自宅内のAC電源自体のノイズが
出力されているかもしれないので、
ドロッパ式の自作電源(特にノイズ対策無し)
との出力電圧波形の比較を行った結果、
MS-305Dが生成しているノイズであると判断した。
->右図
<3>Transient response
測定方法:オシロスコープのプローブとGND線をそれぞれMS-305Dの+/-出力端子に当てた状態で
両端子を短絡させ、充分電圧が低下(表示電圧<0.5V)した後、開放した時の波形を観測。
MS-305D設定値 : 3.0V 2.0A
結果: 20mS程度で、0.5V未満(出力短絡)から3V(設定値)まで上昇。
出力電圧上昇中に3.0Vの出力設定に対し、7.2Vの出力電圧を確認した。
-> 電圧供給先の回路に不具合、ストレスを生じさせる可能性がある。
実測値 | |
Power Supply Output Setting | 3V |
Power Supply Output Max | 7.2V |
<今後>
<2><3>で確認した現象への対策検討については、別途記載。
<その他>
梱包状態良好で、製品外観の傷、汚れは無し。
以下のことに気が付いたが個人的には気にならないレベル。
マニュアルの汚れ(少)、メーターパネル下部のバリ(2か所)、つまみの位置ずれ(少)
注)
上記測定値と結果は、当方で購入/所有した製品1台のみであり、
同一製品全てが同一の結果となることを示すものでは無い。
<記載履歴>
2021-01-26 新規作成
2021-01-28 レイアウト調整
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